なぜ今、事業継続力強化計画(ジギョケイ)が必要なのか
日本各地で自然災害や感染症、サイバー攻撃などのリスクが高まる中、企業の「事業を止めない力」が問われています。
国が推進する「事業継続力強化計画(通称:ジギョケイ)」は、こうしたリスクに備え、中小企業が自らの事業を守るための仕組みとして注目を集めています。
事業継続力強化とは、災害や障害が発生した際に、被害を最小限に抑えつつ事業を継続・早期復旧するための事前対策を意味します。
この計画を策定し、国の認定を受けることで、税制・金融・補助金など多方面での支援を受けることができます。
認定対象は、製造業・卸売業・小売業・サービス業など、資本金や従業員数の要件を満たす中小企業です。
計画の核:リスク認識と「ヒト・モノ・カネ・情報」の対策
事業継続力強化計画は、以下の5ステップで策定します。
- 目的の検討
- 災害等のリスク確認
- 初動対応の検討
- ヒト・モノ・カネ・情報の対策
- 平時の推進体制づくり
計画期間は原則3年以内です。
想定すべきリスクと影響分析
暴風・豪雨・地震・津波・噴火などの自然災害に加え、サイバー攻撃や感染症も対象とされます。
リスクの把握には、ハザードマップや地震動予測地図を活用し、影響を「人員」「建物・設備」「資金繰り」「情報」の観点から分析します。
初動対応の具体的な手順
最優先は人命の安全確保です。
避難経路・安否確認・緊急時体制(災害対策本部など)の構築を明確にし、取引先や自治体との情報共有体制を事前に決めておくことが重要です。
事前対策の具体例
- ヒト(人員体制):多能工化研修や相互応援体制の構築
- モノ(設備):自家発電設備・止水板・耐震装置の導入
- カネ(資金):融資制度・保険・共済への加入検討
- 情報:データの電子化・クラウド保存・バックアップ実施
認定による具体的なメリット
税制優遇(中小企業防災・減災投資促進税制)
認定後1年以内に計画に記載した防災設備を導入した場合、**特別償却16%**の適用が受けられます。
(対象例:自家発電設備、止水板、耐震装置など)
金融支援
- 日本政策金融公庫の「BCP資金」により、基準利率から0.9%引き下げの低利融資が可能。
- 信用保証協会による保証枠拡大や別枠保証の対象となる特例措置が利用できます。
補助金の加点措置
- ものづくり補助金
- 事業承継・M&A補助金
- 小規模事業者持続化補助金
これら国の補助金申請時に加点評価を受けられるため、採択率の向上につながります。
その他のメリット
- 認定マークの使用により、名刺・Webサイト等で防災意識の高い企業であることをPR可能。
- 一部の損害保険会社では、計画策定内容に応じた保険料割引制度を設けています。
計画の申請と継続的な運用
申請方法と審査期間
申請は「事業継続力強化計画電子申請システム」から行い、審査期間はおおむね45日です。
電子化により、手続きは全国どこからでも対応可能です。
計画の類型
- 単独型:自社のみで策定する計画
- 連携型:同業者や取引企業と連携し、資源融通や代替生産を想定した計画
いずれの型も、地域全体の強靭化に寄与する取り組みとして評価されます。
実効性確保のための取り組み
策定後も、計画を「実際に動かす」ことが重要です。
経営層が主導して、年1回以上の防災訓練・教育を実施し、経営環境の変化を踏まえて見直しを行うことが推奨されます。
まとめ
事業継続力強化計画(ジギョケイ)は、単なる災害対策ではなく、「会社を守る経営戦略」です。
国の認定を受けることで、信用力の向上と経営基盤の強化が期待できます。
災害時に「守れる企業」であるために、今こそ計画策定を進める時期です。
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