初動対応の重要性と目標
自然災害や重大な障害が発生した際に、どのように初動対応を行うかは、事業継続力強化計画(ジギョケイ)の成否を左右します。初動対応とは、災害発生直後に従業員や事業を守るために行う最初の行動であり、「人命の安全確保」「緊急時体制の整備」「被害情報の把握と共有」の3つが柱です。
これらの手順を平時から明確に定め、従業員全員が理解しておくことが、被害を最小限に抑える鍵となります。
優先順位1:人命の安全確保(最優先事項)
人命の安全確保の構成要素
初動対応において最も優先されるのは「人命の安全確保」です。以下の4つの観点から具体的な対応を定めておきましょう。
- 従業員の避難方法
- 従業員の安否確認方法
- 生産設備の緊急停止手順
- 顧客への対応方法
避難方法の決定と周知
事業所内の安全エリア(一次避難先)を設定し、自治体のハザードマップを活用して最寄りの避難所や経路を把握しておきます。避難経路図は、従業員の目に付く場所に掲示し、年1回以上の避難訓練を通じて実際の行動を確認することが重要です。
安否確認体制の構築
災害時の連絡手段を事前に決定し、安否確認システムやLINE・SNSなどの活用をルール化します。災害用伝言ダイヤル「171」も有効な手段として活用可能です。
従業員ごとに「登録・報告の手順」を文書化し、訓練時に実際の送信を行うことで実効性を高めます。
生産設備の緊急停止手順
製造業や飲食業など、設備が稼働中の場合は緊急停止の判断が人命に直結します。どのスイッチ・手順で安全に停止できるかをマニュアル化し、全員が共通認識を持つことが不可欠です。
顧客への対応(誘導・感染症対策)
サービス業では、顧客の避難誘導や安全確保も事業者の責務です。災害時に混乱を避けるため、従業員がどのルートで誘導するかを明示し、持病・感染症等への配慮を行います。感染症流行期にはマスク着用や手指消毒の徹底も組み合わせると良いでしょう。
優先順位2:緊急時体制の整備と情報共有
非常時の体制構築
災害対策本部を設置し、意思決定の流れと代行者を明確に定めます。発令基準(例:震度6弱以上、災害救助法適用時など)をあらかじめ設定し、発生直後に速やかに対応できるようにします。
被害状況の把握と共有
被災状況・人員・設備・ライフラインなどの確認項目をリスト化し、情報収集担当者を決めておきます。
取引先や自治体、商工会議所など関係機関への報告ルートを事前に整理し、ホームページやSNSを活用した情報発信体制も構築しておきましょう。
実効性を確保するための平時の取り組み
推進体制と訓練
初動対応の実効性を高めるには、経営層が主導して平時からの推進体制を整えることが必要です。年1回以上の訓練と教育を実施し、初動対応マニュアルの更新・改善を続けます。
計画内容の周知徹底
初動対応マニュアルを携帯できるハンドブック化や、事務所内への掲示などにより、従業員全員が内容を把握できる状態を維持しましょう。緊急時に迷わず行動できる環境づくりが、被害を最小限にとどめます。
【まとめ】
- 初動対応は「人命の安全」が最優先。
- 平時の訓練と情報共有体制の整備が実効性を支える。
- 安否確認・避難・設備停止の手順を明文化し、誰でも即時対応できる体制を構築することが重要です。
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