施行日・手続き・書類の全体像を把握する:日本版DBS(こども性暴力防止法)の犯罪事実確認運用ガイド

制度開始に向けた全体像の把握が鍵

日本版DBS(こども性暴力防止法)は、令和8年12月25日施行予定です。
この制度により、子どもと接する業務に従事する教員や教育・保育等従事者について、**犯罪事実確認(特定性犯罪事実該当性の確認)**が義務付けられます。

教育、保育、福祉、習い事などの事業者は、施行前に手続きの流れ・必要書類・情報管理体制を明確にしておく必要があります。


犯罪事実確認の流れと関係機関

犯罪事実確認は、こども家庭庁法務省の連携により、厳格なプロセスで行われます。
申請はオンラインで行うことが原則です。

1. 申請(法第33条)

  • 学校設置者や認定事業者が、こども家庭庁に犯罪事実確認書の交付を申請。
  • 申請書には以下を記載する必要があります。
    • 氏名・住所・生年月日・性別
    • 勤務先・業務内容・従事予定日
    • 申請従事者の区分(新規従事者・施行時現職者・再確認者)

2. 照会(法第34条)

  • こども家庭庁が、申請者の本人特定情報を**法務大臣(法務省)**へ提供し、特定性犯罪事実の有無を照会します。

3. 通知・交付(法第35条)

  • 特定性犯罪歴がない場合:事業者に確認書を交付。
  • 特定性犯罪歴がある場合:本人に通知され、2週間以内に訂正請求が可能
    訂正請求期間経過後または却下後、事業者に確認書が交付されます。

手続き区分と所要期間の目安

標準的な処理期間(事業者による申請から交付までの期間)は、国籍や訂正請求の有無によって異なります。

区分所要日数の目安補足
日本国籍・特定性犯罪歴なし約7〜10営業日(2週間前後)標準処理ケース
外国籍・特定性犯罪歴なし約17〜21営業日(3〜4週間)本国照会を要する場合あり
犯歴あり・訂正請求なし約21営業日(約1ヶ月)通知後に交付
犯歴あり・訂正請求あり約40営業日(約2ヶ月)訂正審査を含む
犯歴あり・中止要請あり約13〜25営業日(約2〜5週間)確認書は交付されない

申請から標準期間を経過しても確認書が交付されない場合、「いとま特例」のやむを得ない事情として取り扱われることがあります。


事業者と従事者が準備すべき書類

事業者が提出する書類

  • 雇用契約書、内定通知書、辞令など
    → 申請従事者を業務に従事させる根拠となるもの
  • 事業所の概要資料(所在地、代表者、業務内容等)

従事者が提出する書類

  • 【日本国籍】
    本籍が記載された戸籍抄本または戸籍電子証明書提供用識別符号の入力
  • 【外国籍】
    在留カード、住民票、旅券の写し
    過去の氏名・国籍・性別・生年月日の変更を示す本国の戸籍相当書類など

犯罪事実確認書の記載内容と管理方法

交付される犯罪事実確認書には、本人が特定できる情報は一切記載されません。
記載されるのは次の情報のみです。

  • 管理番号(申請番号)
  • 確認日
  • 特定性犯罪事実該当性(該当あり/なし)
  • 該当者の区分(拘禁刑・執行猶予・罰金刑)
  • 裁判の確定日(該当ありの場合)

また、確認書はオンライン閲覧のみ可能で、紙での交付や保存は禁止される予定です。


情報管理と職員研修の義務

犯罪事実確認に関する情報は極めて機微な個人情報に該当します。そのため、事業者は次のような体制整備が求められます。

  • 情報管理規程の策定
    → 情報漏えいや不正閲覧を防止する内部ルールを文書化。
  • 従業員研修の実施
    → 定期的に情報管理や法的遵守をテーマとした研修を行うことが義務。

全国の教育・福祉事業者にとって、この制度対応は単なる行政手続きではなく、組織の信頼性を担保する法的責務といえます。


まとめ:今から整備しておくべき3つのポイント

情報管理規程と職員研修体制の構築が、今後の法令遵守の基盤となります。確認は、行政書士や社会保険労務士等の専門家にお問合せください。

施行日は令和8年12月25日。手続きはオンラインで行われる。

戸籍・在留カード等の本人確認書類の準備を早めに整える。

※執筆時点の情報です。最新の内容・詳細については直接お問い合わせください。

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