「漏えい等の重大事態と報告義務」について
「日本版DBS(こども性暴力防止法)」では、事業者に対し厳格な情報管理措置を求めています。その一つが、漏えい等の重大事態が発生した場合の報告義務です。
犯罪事実確認記録等の管理が適正に行われず、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態が生じたときは、直ちにこども家庭庁(内閣総理大臣)へ報告しなければなりません(法第13条)。この義務は認定事業者等にも課され、違反すれば認定取消事由となります。
報告を要する「重大事態」とは
日本版DBSの情報管理措置の中で、内閣府令は以下の3類型を「重大事態」と定めています。
① 犯罪事実確認記録等の漏えい等
- 漏えい、滅失、毀損が発生、またはそのおそれがある場合
- 対象は「犯罪事実確認書」や、その記載情報(性犯罪歴の有無、裁判確定日など)
② 法第12条違反の第三者提供
- 犯罪事実確認記録等が、法第12条の「目的外利用・第三者提供の禁止」に違反して扱われた場合
③ 特定性犯罪事実関連情報の漏えい等
- 業務従事者から取得した、より詳しい性犯罪事実情報の漏えい等
- 犯罪事実確認記録等には該当しないが、要配慮個人情報であり、報告対象
報告の流れ(速報と確報)
この報告義務も、日本版DBSの情報管理措置に含まれます。
- 速報:事態を知った直後に、3~5日以内を目安に報告
- 確報:速報後、原因・再発防止策を整理し30日以内に報告(不正目的の場合は60日以内)
報告内容(9項目)
内閣府令に基づく報告事項は以下の通りです。
- 事案の概要(発生日・発覚日・経過など)
- 対象情報の項目
- 本人の人数
- 発生原因
- 二次被害の有無
- 本人対応の状況
- 公表の実施状況
- 再発防止策
- その他参考事項
報告方法と留意点
- 方法:内閣府令で定めるオンラインフォームを使用
- 重大性が高い事案: 特定性犯罪事実がある旨の情報の漏えい(口頭によるものを含む)や、多数の犯罪事実確認記録等の漏えい(100人以上など)
- 公表:こども家庭庁が再発防止に資すると判断した事案は、匿名化のうえ公表される場合あり
まとめ
日本版DBS(こども性暴力防止法)では、情報管理措置として「漏えい等の重大事態の報告義務」が定められています。事業者は日頃から適正管理を徹底するとともに、万一の際には速やかに報告できる体制を整えておくことが求められます。
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