日本版DBSとフランチャイズ運営における認定情報の透明性

こども家庭庁は、民間教育保育等事業者の基本的な情報を公表することにより、保護者等が正確な情報を把握し、サービス選択に活かせるようにしています。また、制度全体の信頼性を高めることも目的です。本記事では、特にフランチャイズ方式で運営される事業について、認定取得状況が事業所ごとに異なる場合の留意点を解説します。

第1章:フランチャイズ事業における認定の構造的課題

1.1 フランチャイズ契約の定義

フランチャイズ契約とは、本部事業者が加盟者に商標やノウハウの使用権を付与し、加盟者がサービス提供や経営において本部から統一的な指導や援助を受ける事業形態を指します。この契約形態では、事業名や運営方法は統一されますが、認定取得状況は加盟店ごとに異なる場合があります。

1.2 事業者ごとの認定取得の必要性

民間教育保育等事業の認定は「事業単位」で行われます。フランチャイズ本部と別に、加盟店が独自に認定取得の権限や体制を持つ場合には、加盟店自身が申請・取得する必要があります。そのため、同じ事業名であっても、認定の有無は加盟店ごとに異なる可能性があります。

1.3 保護者等が誤解するリスク

保護者等は、同一の事業名であればすべての事業所が認定を受けていると誤解するおそれがあります。誤解を防ぎ、正確な情報提供を行うことが重要です。特に、フランチャイズ方式で運営される場合は、加盟店ごとの認定取得状況の差異を明示することが求められます。

第2章:公表事項に「フランチャイズ事業の有無」を含める理由

2.1 内閣府令で定める追加の公表事項

法第22条第1項第5号では、内閣府令で定めるその他の事項として、「事業者の異なるフランチャイズ事業者が同じ事業を行っている場合には、その旨」を認定等の公表事項に含めることが規定されています。これにより、保護者等は加盟店ごとの認定状況を正確に把握できるようになります。

2.2 公表の仕組み

認定が行われた場合、こども家庭庁は以下の情報を公表します。

  • 認定事業者等の氏名または名称及び住所
  • 認定等事業の概要及び該当する民間教育保育等事業の別
  • 認定等事業を行う事業所の名称及び所在地
  • 認定等に係る教育保育等従事者の業務の概要
  • 認定等の年月日
    さらに、フランチャイズ事業の有無や、同一事業名の加盟店ごとの認定取得状況も明示されます。

第3章:認定マーク利用に関するフランチャイズ事業者の留意点

3.1 認定マークの利用制限

認定マークは、認定を受けた事業に限り付すことができます。フランチャイズ本部が認定を取得していても、加盟店が未認定であれば、その加盟店は認定マークを使用できません。事業ごとに認定の有無を明確に区別する必要があります。

3.2 紛らわしい表示の禁止

認定マークや紛らわしい表示を、認定を受けていない事業に付すことは禁止されています。違反した場合は罰則の対象となります。本部と加盟店の認定状況を適切に管理し、保護者等が誤認しないようにすることが重要です。

まとめ

フランチャイズ方式で運営される民間教育保育等事業者は、本部と加盟店の認定取得状況の違いが保護者等に分かりにくいため、認定取得時にはフランチャイズ事業の有無を公表し、透明性を確保する義務があります。また、認定マークの使用についても、未認定の事業所が誤認されないよう厳格な管理が求められます。これにより、保護者等は正確な情報に基づいてサービスを選択でき、制度全体の信頼性も維持されます。

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