【日本版DBS】 犯罪事実確認体制の構築と責任者選任義務

民間教育保育等事業者が日本版DBSの認定を受けるためには、学校設置者等が講ずべき安全確保措置と同等の措置を実施する体制が整備されていることが前提となります(法第20条第1項)。その中でも特に重要な要件の一つが、犯罪事実確認を適切に実施するための体制の整備です。本記事では、この体制整備の核となる「責任者の選任」と、事業者が講じるべき具体的な業務管理措置について解説します。


体制整備の核となる「責任者の選任」義務

内閣府令で義務付けられる責任者の選任

認定基準(法第20条第1項第1号)を満たすため、内閣府令では犯罪事実確認事務を適切に実施する責任者の選任が義務付けられています。責任者は、単に手続きを監督するだけでなく、全体の確認体制が適切に機能するよう管理する役割を担います。

責任者が管理すべき4つの犯罪事実確認事務

責任者は法第26条に定められる以下の4種類の確認事務を確実に実施できる体制を整える必要があります。

  1. 新規従事者の確認
    新たに業務に従事させようとする者に対する犯罪事実確認を実施する。
  2. いとま特例対応
    従事までに確認を行う時間がない場合に講じる必要な措置を管理する。
  3. 認定時現職者の確認
    認定申請時点で既に従事している職員に対する確認を行う。
  4. 再確認(5年ごと)
    確認済み従事者に対し、5年ごとに犯罪事実の再確認を実施する。

体制整備を確保するための具体的業務管理措置

責任者のもとで体制を確実に機能させるため、ガイドラインでは事業者が留意すべき具体的な措置が示されています。

計画的かつ適切な業務管理

  • 計画の策定
    犯罪事実確認を期限内に実施するため、年間スケジュール等の事務計画を作成する。
  • 執行体制の構築
    責任者や担当者の決定など、実務の執行体制を明確に構築する。

協力拒否への事前対応の準備

  • 想定外の事態への備え
    予定どおりに確認を行えない場合に備え、事前に対応策を整備する。
  • 戸籍提出協力への対応例
    戸籍提出に協力が得られない場合、従事者の同意取得や就業規則の整備を行う。

従事者への明確な事前通知

  • 通知内容の必須事項
    犯罪事実確認の必要性、対象者自身であること、申請スケジュール、提出書類や研修受講等の義務、未実施時の対応を事前に書面で通知する。

確認結果の適切な検証

  • 確認書の検証
    交付された確認書について、遅れ・誤り・漏れがないかを確認し、適切に管理する。

いとま特例適用時の事務管理

  • 書類の保存
    特例適用のやむを得ない事情を証する書類を適切に保存・管理する。
  • 措置の説明
    特例対象者に対し、必要な措置の内容を書面で説明する。

まとめ:認定に向けた体制構築のポイント

認定を受ける事業者には、単に手続きを行うだけでなく、責任者の選任戸籍提出の困難・急な欠員などの実務課題を想定した規程・計画の整備・運用能力が求められます。この体制整備が、認定の基礎的かつ重要な要件となります。安全確保措置の実効性を確保するために、事前の準備と継続的な管理が不可欠です。

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