日本版DBS(こども性暴力防止法):同一事業者内で義務対象事業と認定対象事業に従事する職員の整理について

日本版DBS(こども性暴力防止法)の施行により、学校や保育所など複数の事業を一体的に運営する事業者は、従事者の整理が重要な課題となっています。特に、義務対象事業(教員等)と認定対象事業(教育保育等従事者)の両方に従事する職員をどのように扱うかは、法律に従った安全確保措置や犯罪事実確認を適切に行ううえで欠かせません。

ここでは、同一事業者内での従事者整理の考え方と具体例、対応のポイントについて解説します。


同一事業者内で整理が必要となる理由

同一事業者が義務対象事業と認定対象事業を一体的に行う場合、従事者を明確に整理しないと以下の課題が生じます。

  • 義務対象事業の「教員等」として整理されない場合、付随事業の従事者について別途認定を受ける必要がある。
  • 認定取得や犯罪事実確認の実施など、事業者に追加の事務負担が生じる。
  • 児童保護の観点から、安全確保措置の対象となる従事者が不明確になる。

このため、原則として一体的な事業に従事する職員は義務対象事業の「教員等」として整理する考え方が示されています。


整理の基本方針

義務対象事業の設置主体による一体的事業の場合

学校や保育所など義務対象事業を運営する事業者が、付随して特定の認定対象事業を行う場合、従事者はすべて「教員等」として扱います。

具体例は以下の通りです。

  • 認可保育所で延長保育、一時預かり、病児保育を行う場合
  • 幼稚園で預かり保育や一時預かり事業を運営する場合
  • 児童館で放課後児童健全育成事業や児童育成支援拠点事業を行う場合

この整理により、従事者は法律に従った犯罪事実確認や安全確保措置の対象となります。

運営主体が異なる場合(外部委託など)

運営主体が別の場合、従事者を「教員等」として整理することはできません。

  • 例:認可保育所Aにおいて事業者Bが一時預かり事業を行う場合
  • この場合、事業者Bが別途認定を受け、従事者に対して法律に従った犯罪事実確認を実施する必要があります。

教員等として整理できる教育保育等従事者の範囲

施設・事業の種類ごとに、義務対象事業に従事する職員として整理可能な範囲は以下の通りです。

施設・事業教員等として整理可能な従事者
幼稚園一時預かり事業、預かり保育に従事する者
幼保連携型認定こども園延長保育、一時預かり事業、病児保育事業に従事する者
保育所延長保育、一時預かり事業、病児保育事業に従事する者
児童館放課後児童健全育成事業、児童育成支援拠点事業に従事する者
児童養護施設児童自立生活援助事業、市町村委託の子育て短期支援事業に従事する者
指定障害児入所施設等指定障害福祉サービス(短期入所など)に従事する者
家庭的保育事業等延長保育、一時預かり事業、病児保育事業に従事する者
専修学校高等課程一般課程に従事する者は含まれない

まとめ

  • 義務対象事業と認定対象事業を一体的に運営する場合、従事者は原則として「教員等」として整理されます。
  • 外部委託など運営主体が異なる場合は、別途認定が必要です。
  • 施設・事業ごとに整理可能な従事者範囲が明確化されており、法律に従った犯罪事実確認や安全確保措置を適切に実施することが必要です。
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