2026年施行の「日本版DBS(こども性暴力防止法)」では、事業者が取り扱う「犯罪事実確認記録等」の管理体制について、厳格な運用が求められます。
ここでは、記録の整理方法と、漏えい等の事案が発生した際に講じるべき体制整備について解説します。
犯罪事実確認記録等の取扱記録の整備
犯罪事実確認記録等は、機微な個人情報を含むため、事業者がその取扱状況を正確に把握できるよう、記録内容を整理しておくことが求められます。
あらかじめ「どの情報を」「誰が」「どの目的で」扱っているかを明確にすることで、管理体制の透明性を確保します。
整理すべき内容の例
- 記録対象情報の種類
・犯罪事実確認書
・犯罪事実確認記録 - 記録項目
・記録対象情報ごとの取扱責任者、取扱部署、アクセス権者
・犯罪事実確認記録等の所在(バックアップがある場合はその所在を含む)
・利用目的 等
これらの項目を文書として整理し、組織内で共有しておくことで、情報の追跡や管理の正確性が高まります。
特に、バックアップデータを含む所在の明確化は、紛失や漏えい時の初動対応に直結します。
情報漏えい等の事案に備える体制の整備
漏えい等の事案は、発生後の対応を誤ると被害が拡大し、事業者の信頼を大きく損なうおそれがあります。
そのため、組織の長が主導して、あらかじめ対応体制を整備し、手順を明確化しておくことが必要です。
対応手順の例
- 情報漏えいの事実の確認
- 被害の拡大防止
- 影響範囲の特定
- 影響を受ける可能性のある本人への通知
- こども家庭庁等への報告
- 事実関係の調査および原因の究明
- 再発防止策の検討および決定
- (必要に応じて)事実関係および再発防止策の公表
これらの流れを明文化し、職員全員が理解しておくことが重要です。
また、定期的な訓練やシミュレーションを行うことで、実際の事案発生時に迅速かつ的確に対応できる体制を築くことができます。
まとめ
犯罪事実確認記録等の管理体制は、単なる内部規程ではなく、事業者としての信頼性を支える基盤です。
情報の種類や責任体制を明確化し、万が一の漏えいにも対応できる仕組みを整備しておくことが、法令遵守と社会的責任の両立につながります。
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