対象業務従事者(教員や教育・保育従事者)が、特定性犯罪歴の有無を確認される「犯罪事実確認」は、児童等への安全確保を目的とする重要な手続きです。本手続は、対象事業者、申請従事者、こども家庭庁、法務省(検察庁)が関与する多段階のプロセスで実施されます。
1. 犯罪事実確認の事務フロー
犯罪事実確認は、以下の順序で行われます。
- 交付申請(事業者)
対象事業者は、内閣総理大臣(こども家庭庁)に対して、犯罪事実確認書の交付を申請します。 - 情報提出(従事者)
申請従事者は、氏名・住所・生年月日・性別などの基本情報に加え、戸籍・除籍の抄本等を直接こども家庭庁に提出します。 - 前科照会(こども家庭庁 → 法務省)
こども家庭庁は、法務大臣に対し、申請従事者の特定性犯罪歴の有無を照会します。 - 回答通知(法務省 → こども家庭庁)
法務大臣は確認結果をこども家庭庁に通知します。 - 犯罪事実確認書交付
- 犯歴無し
内閣総理大臣(こども家庭庁)は、交付申請をした対象事業者に犯罪事実確認書を交付します(法第35条第1項)。 - 犯歴有り
- 事前通知:申請従事者に通知
- 訂正請求期間:通知日から2週間以内に訂正請求がなければ、事業者へ交付
※従事者が内容に誤りがあると認められる場合、内閣総理大臣に訂正請求が可能(法第35条第5項、法第37条第1項)。
- 犯歴無し
2. 申請手続の詳細
犯罪事実確認の具体的手順は、従事者の国籍や特定性犯罪歴、訂正請求や中止要請の有無により異なります。
A. 対象事業者からの申請事項
申請書には以下の事項を記載します。
- 事業者情報(氏名・名称・住所・代表者氏名)
- 申請従事者情報(氏名・住所・生年月日・性別)
- 勤務先・事業概要
- 従事予定の業務内容
- 対象業務への従事予定日
- 交付申請の共同申請の有無
- 従事者の区分(新規・現職・再確認者)
- 従事施設・事業所名および所在地
添付書類例:内定通知書の写し、雇用契約書、辞令など
B. 申請従事者からの提出事項
| 対象 | 提出書類 | 記載情報 |
| 日本国籍 | 戸籍・除籍の抄本等 | 氏名、本籍、出生年月日、実父母氏名、戸籍に入った原因等 |
| 外国籍 | 住民票写し等、本人特定情報書類 | 氏名、出生年月日、国籍等 |
提出方法の原則
日本国籍従事者は、戸籍電子証明書提供用識別符号で抄本提出を代替可能。手続は「こども性暴力防止法関連システム」で行い、マイナンバーカード等による本人認証が必要です。
3. 犯罪事実確認書の内容
犯罪事実確認書には、従事者個人情報は記載されず、**「申請番号」**で管理されます。これにより、万が一の情報漏えいに備えています。
記載内容は以下の通りです。
- 申請番号
- 確認日
- 特定性犯罪該当性(該当/該当なし)
- 犯歴区分(拘禁刑、執行猶予、罰金刑)および裁判確定日(犯歴有りの場合)
まとめ
日本版DBS(こども性暴力防止法)の犯罪事実確認は、児童等の安全確保に不可欠な手続です。対象事業者・従事者・こども家庭庁・法務省が連携して、多段階で正確に確認されます。申請番号管理や訂正請求制度など、情報保護にも十分配慮されています。
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