廃棄・消去の義務と期限
日本版DBS(こども性暴力防止法)では、犯罪事実確認書を受領した対象事業者等は、犯罪事実確認記録等について、法第38条に基づき、以下のいずれかの期限までに廃棄・消去しなければなりません。違反した場合は、罰則(法第46条第1項第3号)の対象となります。
- 犯罪事実確認の確認日から5年後の属する年度末日を基準に、そこから30日を経過した日。
- 当該犯罪事実確認に係る従事者の離職等の日から30日を経過した日。
- 対象事業者が対象外となった日から30日を経過した日。
この規定は、記録が漏えいすることによる個人の権利侵害を防ぎ、事業者が保有する情報を必要最低限にとどめることを目的としています。
廃棄・消去の具体的な方法
廃棄・消去は、ガイドラインに基づき以下の方法で行うことが求められます。
1. システムによる自動対応
「こども性暴力防止法関連システム」では、確認日から5年後の属する年度末日を過ぎた30日後に、こども家庭庁側の操作で廃棄・消去が可能となる仕様が予定されています。
2. 事業者による対応(離職・内定取消時)
- 従事者の離職や内定取消があった場合は、対象事業者がシステム上でこども家庭庁に報告する必要があります。報告を行わなければ、廃棄・消去義務を果たしたことにはなりません。
- 紙媒体の記録は、焼却・溶解・シュレッダー等で復元不可能な形で処理します。
- 電子データは、容易に復元できない方法で消去します。
- 廃棄・消去完了の確認は、犯罪事実確認記録等の取扱責任者が行う必要があります。
- 記録は第三者提供が禁止されているため、外部委託による廃棄は不可です。
3. 関連情報の取扱い
法第38条は「犯罪事実確認記録等」に限定されますが、防止措置のために従事者から取得した特定性犯罪事実関連情報についても、不要になった時点で速やかに廃棄・消去することが求められます。
「離職」の解釈
- 有期契約の更新予定者や、公務員の人材交流で再任用が予定されている者、ボランティア等で再従事が書面により確認されている場合は、法第38条に定める「離職」には該当しません。
- 離職後30日以内に再就職した場合は、元の犯罪事実確認記録等を次の確認まで有効に保持できます。
情報管理規程における位置づけ
犯罪事実確認記録等の廃棄・消去に関する措置は、対象事業者が策定・遵守すべき「情報管理規程」に定める物理的情報管理措置の一つとして位置づけられます。
不要になった情報を確実に廃棄・消去することは、事業者の法的義務であると同時に、子どもや関係者の権利を守るために欠かせない取り組みです。
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